【ゲームレビュー】SAO EoAは本当にクソゲーなのか?(体験版論評)

投稿日 2026年6月17日 最終更新日 2026年6月17日

 6/16日に体験版がリリースされて以来、毀誉褒貶が相半ばする…とはいえない状態にある本作。特にX(旧:Twitter)でバズるツイートの多くが「クソゲー」と揶揄する有様ですが、果たして本当にそうなのでしょうか?

 体験版プレイ済みの私による「個人的レビュー」と「酷評へのアンサー」の2つの目線から、冷静に評価してみたいと思います。体験版の時点の情報である点は留意してください。正式版の内容により良作にも駄作にもなりえるのは確か。

 ゲーム紹介については批評の範囲内でのみ記載し、詳細は省きます。下記公式サイトをご覧ください。

Echoes of Aincrad | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
PlayStation®5 / Xbox Series X|S / STEAM® 「Echoes of Aincrad」公式サイト

エコーズ オブ アインクラッドはクソゲーなのか

本作の個人的評価

クソゲーという言葉を軽く使いすぎ

 まず結論から言いますと、まだまだ現状クソゲーと判断するほどの駄作とは言えないと思います。
※もちろん、正式版の内容次第ではクソゲーにもなりえる。

 個人的な評価では現状「並(普通)」レベル。というのも決してまともに遊べないわけでもなく、また比較対象になるであろう同ジャンルの一般的作品と比べて、決して著しく見劣りするといえないからです。世の中に出回る多くの3DアクションRPGと比べて、いうほど大差なくない? ってこと。
※後述しますが上澄みのアクションゲームと比べてるわけではありません。というか神ゲーじゃなければクソゲーっていうのはさすがに言いすぎだし。

 何らかの著しい進行不可とか、バグまみれであるとか、バランスが崩壊しているとか、ゲーム的に破綻しているなら酷評も甘んじて受けるべきとは思いますが、普通にプレイしていたら(不便な点はあったとしても)ちゃんと普通に遊べるゲームにはなっています。

総評

 全体としては、「SAOの世界(アインクラッド)の雰囲気を自分のオリジナルキャラクターで味わいたい」「MMOというゲームの雰囲気を楽しみたい」といった目的なら十分楽しめる可能性があると思いました

 単なるARPGとしては現状「凡作」ですが、SAOファンならこの目的で買う人もそれなりにいるんじゃないかな?

 なお、ユーザビリティに著しく不便な点は存在しているので、そこは改善してほしいとは思いましたが。

 それでもプレイに支障が出るほど致命的な不便やバグ、進行不可問題などは発生しませんでした。普通に遊べるだけマシという感覚がおかしい可能性も否定はできません。クソゲーを味わいすぎたからだろうか? でも本当に普通に遊べるレベルです。

 しかし、値段がとても高い。本当にこれだけがネック。それに値する内容があるのかどうかはわかるすべもなく。

 続いて、各要素についての評価をまとめていきます。

ストーリー

 序盤のため未知数だが大きな問題はなし。SAOをプレイしているという感覚は多少は味わえる。体験版で原作キャラも出てきているし、その辺もある程度は期待できそう? 原作ファンなら楽しめる可能性あり。

戦闘

 3DアクションRPGとしてはごく平凡な部類。ジャスト回避やパリィも一応はある(私自身、目が不自由でこの辺のフレーム読みアクションをあまり使えないため、質についてはなんとも)。

 ソードスキルは序盤すぎてあんまり必殺技感は得られなかったものの、今後に期待?

 ライト層でもちゃんとレベル上げや装備調達をすれば雰囲気を楽しみつつアクションすることはできるのではないかな。

演出&グラフィック

 SAOっぽさはある程度はしっかり反映。強火のファン的には細かい粗があるようだが…。キャラの動きとか描画は結構良い感じ。機種のスペックにもよるだろうが、画質も余程こだわりがないなら不満を感じないだろう。

UI

 古典的だが視覚的には特段の不便さはない。しかし挙動が微妙にもっさりしているように感じられる。

フィールド探索

 無駄に広いマップはMMOを題材としているので仕方ない側面も。ただし敵の視野が異様に広いうえに一度索敵されると一生追いかけてくるのは本当にどうかと思う。チュートリアルを見た感じわざとやってるらしいけど、MMOに反してるこの理不尽な仕様はやめてほしい。

 あと移動できるルートが開発によって恣意的に設定されすぎており、探索することを楽しむといった内容にはなっていない。あくまで既定のルートを歩くだけに近い。

 ただ、こうした不便さを前提としているためか、ワープ地点を解放すればエリア内の宝箱の位置がわかるようになっている。それでいいのか? とか、因果が逆なのでは? などと思わないこともないけど、何もない場所を歩き回って徒労になるリスクは減っている。

キーコンフィグ

 各種キー項目を分割しすぎてゲームパッドで遊ぶのにやや不便さが見受けられる。ダッシュも回避もインタラクトも全て個別キーである。

 初期設定を見る限り、開発はゲームパッドでのプレイを快適にする方法をあまり理解していないように感じられるのは確か。でも一応いろいろ設定したらそれなりに慣れてはきた。

 しかし、街中でワープを使う時、Lスティック押し込みでサークルを開いた後、決定するのがRスティック押し込みだったのは本当にどうかと思う。

まとめ:プレイの動機次第では楽しめるかも

 一部辛口評価にならざるを得ませんでしたが、総評としては最初に上げたとおりです。SAOのアインクラッドの雰囲気を一般人目線で満喫する目的が一番相性良さそうです。不便さはあるものの普通に遊べる範囲です。

 続いては、巷で見られる酷評に対するアンサーを示していこうと思います。

 

巷の酷評への賛否

アクションの質が悪い

決して良質とはいえないが

 Xのポストを見た限り、酷評する人の多くはアクションゲームとして質が低いという点を取り上げています。実際、アクション部分のみを取り上げてみると現状、決して出来が良いとは言えません。

 じゃあ、めちゃくちゃ劣悪なのか? というと、3DアクションRPGとしては特筆すべきこともない程度だと思います。可もなく不可もないんですよね。すごく面白いかというとそうでもないけど、致命的にプレイ感が終わってるかというと、そうでもない。正直世の中の多くの作品と大した差はないし、もっと雑なARPGも普通にたくさんある。

アクションRPGという難しいジャンル

 そしてあくまで本作は「アクションRPG」。しかも原作はMMORPGを舞台にした小説「ソードアート・オンライン」。つまり、かなりRPGに比重が置かれた作品となっています

 原作中で、キリトがPKプレイヤーに攻撃され続けてもほとんどダメージをうけず、自然治癒の回復量に追いつけないので無防備でもなんともない、というシーンを原作ファンなら覚えているでしょう。

 そういう作品が原作である以上、装備やキャラクター成長の影響に比重が置かれていることは決して不自然なことではありません。

 基本的にアクションゲームとRPGは水と油の関係です。キャラクターを強くしてパワーで押し勝つ側面があるのがRPGの戦闘で(もちろん戦術的な面もあるけど)、プレイヤーの操作の力量で敵の攻撃を避けたり、敵に攻撃を当てたりして勝つのがアクションゲームの戦闘。

 そんな相反する性質を持つ2ジャンルを融合したアクションRPGでは、アクションとRPGどちらの要素も完璧にするということは物理的に不可能なため、どの作品も「どちらにどの程度の比重を置くか」で試行錯誤しています

 たとえば初期のARPG作品の中でヒット作となった「テイルズ オブ」シリーズや「聖剣伝説」シリーズも、アクション要素だけを抽出してみると別段すぐれた作品とは言えません。むしろ割と雑。攻撃を回避しまくれるわけでもなければ、ジャスト回避等でノーダメージになるわけでもありません。良いじゃないですか、RPGだもの。それっぽい雰囲気を味わうだけでもゲームは楽しめるんです。

 両作品が凡作といっているわけではなく、個人的にもかなりの名作(ナンバリングによるが)だと思っています。ただ、アクション要素が神だから名作だったわけではないという話。ARPGってそんなもんです。

 アクション全振りで楽しみたい人にとっては多少物足りないと思いますが、本作がRPGである点を弁えればそれなりに遊べるのではないかと思います

余談
ここまでARPGのジャンルとしての未成熟について
述べてきましたが、2D横スクロールARPGについては
主にメトロイドヴァニアジャンルで明らかに名作と
呼べるものも生まれています(例:エンダーリリーズ)。
でも3Dに関してはなかなか最適化されない印象です。
エフェクトが派手になるとアクション性が失われるし、
3Dだと物理演算の範囲内での挙動しかできないし、
縛りの方が多くなりがち。
3Dアクションは人類にはまだ早いのかもしれない。

ソウルライクと比べても仕方ない

 おそらく批判している方たちは、ダークソウルやエルデンリングなど(俗にフロムゲーと呼ばれたりもする)をはじめとした「ソウルライク」を意識してるんじゃないかなと思います。

 確かにそういったジャンルの作品は高度なアクション性を要求され、何度も失敗して敵の行動を覚えてから攻略するといった点でやりごたえがあると言われています。アクションのジャンルに寄せたつくりのARPGといえるでしょう。
※ただ難易度が高い/理不尽なだけでソウルライクを名乗る偽物が多いのはどうかと思うが。

 しかしながらソウルライクは「万人にはお勧めできない」ことがファンの間ですら言われているように、コア層をターゲットとしています。ライトプレイヤーお断りの空気さえ否定できないでしょう。
※エルデンリングでかなり幅は広がったけど。

 一方、ソードアート・オンラインは人気小説を原作とした、いわば大衆向けの娯楽といえます。ゲームも原作ファンの、ライトプレイヤーを含めた多くの人々が注目しているであろう作品です

 そういったIP由来の作品をハードコアにしたら、大衆の多くが離脱のリスクを抱え、逆に一般人にとってクソゲーになる可能性があるんですよね。

 実際割と最近でも、IPゲーでハードコアなアクションを意識して作られたゲームがコア層のみをターゲットとしすぎたために焼け野原になったりしています(作りが雑、バランスが悪い、などという側面などもありますが)。なのでSAOでソウルライクは成立しがたいと思います。開発費をペイするための売上的にも。

 「死んだらデータ消失」のデスゲームモードを用意している点など、少しは意識しているのではないかと疑わされる点もありますが、あくまで趣味レベルのやりこみ要素だし、同モードでも「死なない方法」としてキャラクターを強くする手段が存在する点には変わりありません。

 そこでアクション要素をもっとしっかり作っておけば名作になりえたといえばもちろんそうですが、開発リソースも無限ではない。何度も言いますが、クソゲーと呼ぶ理由にはならない程度には普通に遊べま。褒めてもいないけど

単調なアクション:良くはないがよくある話

 次に、本作では特定の行動(ダッシュ攻撃やジャンプ攻撃など)が強いためそればかり使うことになり単調、という批判もあります。

 まあ確かに効率化したときに動きが固定化されるのはコアユーザーにとっては物足りなくなりがちだとは思います。

 しかしながらこの批判については他のゲームでもあまりに日常茶飯事のため、本作が際立って劣っているという話にはなりません。ジャンルそのものの問題点といえます

 もっといえば、高難易度ゲームでも「とりあえずカウンターが最強」みたいな風潮がさほど珍しくはないですし、これを批判している人はカウンターやパリィを強いてくるゲームもクソゲーというのでしょうか? 強い動きが決まっているのは決して褒められた点ではないながらも、酷評に値する材料として弱いと思います。
※個人的にはパリィとジャスト回避を使えないと死、みたいなゲームの方が下らないと思っています。間合いからぎりぎり外で回避するゲームがしたいのだ。むしろ「わざと敵の攻撃に当たらないと回避できない」っておかしくないですか? まである。このように好みの問題は個人差が強い。

 また序盤の体験版だけで判断しきれない内容でもあります。武器スキルの中には特定の動きを強くするものもありますし、今後のアクションや装備の拡張によっては変化が生まれる可能性もあります。
※なお、ダッシュ攻撃とジャンプ攻撃に特化するならブロンズソードというまさにそれに適した武器があるのは面白い。

 つまりこの批判については早計かつ、他作品でも日常茶飯事のため良くはないけど他もできてない。クソゲーの理由にはならないと思います。

探索がイマイチ

スペランカー問題(低所飛び降り死)

 センセーショナルすぎて話題になりましたが、現実世界の人間が飛び降りてもケガすらしないような高さから飛び降りただけなのに死亡する問題があります。

 正直これはギャグみたいに良くない現象だと思いますが、ややミスリードになってもいるので説明しておきます。

 まず飛び降り自体がほぼ不可能というわけではありません。というのは自キャラの背丈の2倍以上の高さから降りても特に問題ない場所もあるからです

 どうやら開発チームは、自分たちが設定した「通れるルート」以外を通行不可にするためにちょっと恣意的な設定にしているっぽいです

 また、状況の表現に「死」という言葉が使われますが、飛び降りによる死亡はゲームシステム上のデスには該当せず、飛び降り前の場所にもどされるだけです。この仕様に変化がないならデスゲームモードで飛び降りただけで終了にはならないかも。

 どこからの飛び降りならOKなのかわかりづらいのは非常に困った問題ですが、落ちてもデメリットはないのでまあ…といった感じ。

無駄に広いだけの探索エリア

 広いだけ広くて密度が薄い3Dフィールドはアクションゲームあるあるの問題ですが、本作は特に「MMOゲームが舞台」という設定のため、ある程度はやむを得ない側面があります

 …とはいっても実際、ゲームとしてあまり優れているとは言えないのも事実。

 こうした探索コンテンツの密度の低さは、オープンワールド、または疑似オープンワールド※では常に発生する、ジャンルに起因する問題でもあります。正式版の内容ではもう少し自由度を感じられる探索ができると良いんですけどね。
※疑似オープンワールド:オープンワールドにあるようなフィールドを切り取ったような、エリア移動の存在するフィールドのことをここではそう呼んでいます。適切な名称が世の中に存在しない。

 よって、修正してほしい点は多々あるものの致命的ではなく「不便で困る」程度。時間が無駄になることはあっても進めなくなることはないですね。減点材料なのは確かですが

総括

 改めて大まかにまとめると、それぞれの酷評についての私の見解は「批判は適切だが致命的ではなく、他の一般的な作品と比べて大差もない」「ジャンル共通の問題のため、本作が特段見劣りするとは言い切れない」「SAO、そしてMMOが題材のため、雰囲気作りのために縛らざるを得ない部分もある」「明らかに直してほしいけど、それだけで遊ばなくなるレベルではない」といった意見になりました。

 確かに神ゲーとか名作というにはいろいろ物足りないですが、ハードコアなアクションを求めず、SAOの雰囲気を味わう、特に今回初めてプレイヤーオリジナルキャラクターで遊べる、という点に魅力を感じられるなら、購入も選択肢になるのではないでしょうか。


 以上、SAO EoA体験版についての個人的なレビューと巷の酷評へのアンサーをまとめました。現時点では決してゲームとして破綻しているような駄作ではなく、普通に遊べるレベルであることは何度でも繰り返し伝えておきます。

 あんまりにも一部の酷評が変にバズりまくって風評被害みたいになっているので、ちょっとそれはどうかな、と思った次第です。

 個人的にも、価格と「遊ぶ暇があるかどうか」で迷っていますが、その辺がクリアできれば購入しようと思えるくらいです。あとは正式版次第です、本当に。自由度が高まると良いのですが。

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