雑記:引き寄せるっていう言い方はあんまり良くないと思います

 以前からあったものの、近年特に巷にあふれかえるようになっているのが「引き寄せの法則」「成功法則」「思考は現実化する」「人間レベルを上げる」などの「人生を思い通りにできる系」法則についての解説書。

 

 フツーの人たちの多くにとっては「いかがわしい」「胡散臭い」「スピリチュアル詐欺」「成功したから言ってるだけ」とか、一言のもとにバッサリ切り捨てる対象であることが大半だと思います。

 

 

 私もスピリチュアル論は胡散臭いと思います。

 

 

 ただ、これらの方法論がこぞって述べている内容の中には、見るべきところがあるのも確かです。要は、言っていることの中にある非現実性を取り除いた時に見えてくるものがあるのです。

 


引き寄せ系法則の共通点
 引き寄せ系方法論の内容でおおむね共通することは「理想の状態を思い浮かべ、定着されること」や、「その状態が当たり前のことであるような感覚を身に着けること」だと思います。

 

 他の細部については方法論によりけりだと思います。その状態を思い浮かべているとき「気持ちいい」とか「ワクワクする」といった気分を必要とするものもあれば、「落ち着いた安心感で良い」とするものもあります。逆に言えば、言ってることがみんな違うのだから、こんなことはある意味どうでもいいってことです。人によって適不適はあるものの、客観的な傾向として万能な正解など存在しないってことです。自分の潜在意識を適切に上書きができる方法であれば何でも良いのです。

 

 要は、自分の脳みそに理想の状態を当然の状態として認知されること、がこれらの法則にとって最も重要であるということです。そして、この本質はスピリチュアルではなく物理的な脳のはたらきにとって非常に有意義なことだったりします。

 

 


刷り込まれているなら逆もできる

 現代社会の教育環境に、さまざまな「洗脳」とも呼べる思想の刷り込みが、極めて意図的に、極めて膨大に行われていることは過去の記事で述べてきました。こうした洗脳は無意識というか、潜在意識へ情報を刷り込み、上書きすることで無意識に「それ」を当たり前と思う状態を作り出しています。

 組織の一員として真面目に働いて出世するのが勝ち組
 世界大戦で日本は加害者で連合軍が正義である
 テレビが報道しているから正しい
 みんながやってるから自分もやらなきゃだめ
 みんな苦しいんだから自分も苦しいのは当然
 長年続いているやり方だからこれが正しい

 この世界には色んな思想の刷り込みが満ち溢れています。他者から日常的に言われ続けた言葉が、その人の行動規範に強力なブレーキをかけるようになるのです。特に幼少期に両親などから受ける言葉の影響は極めて強いものです。つまり、潜在意識は上書きできるのです。

 

 この概念を本当の意味で悪用する「マインドコントロール(単に洗脳とも)」が行われた例がたまにニュースで取り上げられ、その異常性が語られることもありますね。それほどの強力な思想誘導ではなくても、人間は常に「当たり前」に縛られて生きているわけです。

 

 

心理的盲点(スコトーマ)とは 
 以前の記事(例えば下記の記事)で私は常々「思い込み」の怖さについて言及してきました。このように、は自分の世界観の外側にある概念を捉えたり考えたりすることはできない仕組みになっています。この概念にはどうやらすでに名前がついているらしく、スコトーマ(心理的盲点)と呼ばれます。先人はやっぱりあらゆる物事を考え、定義づけているのだなと感心します。

雑記:「当たり前」の相違によるネット社会の難しさ~ツイッターの140文字文化を通して~

 

 タコの刺身を食べたことがない西洋人は、「あんなもの食えるわけない」と思っていました。しかし日本人は好んでタコを食べていました。さらには普通に食べれば毒にしかならないフグやコンニャクイモを食べれるかもしれないと思った日本人は、あらゆる手を尽くしてこれらの食材を食べる方法を見つけ出しました。

 

 コペルニクスの地動説が広まるまで、天動説が間違っていることを疑ってみる人はほとんどいませんでした。また、現代のように飛行機で空を飛べたり、ロケットで宇宙に行けたり、電話やインターネットで遠方の人とリアルタイムでやりとりをしたりできる時代がくるとは、昔の人はほとんど思わなかったでしょう。

 

できるわけがない。

 

このフレーズ、致命的に重要です。

 

 


「できないと思うからできない」の本当の意味
 「できるわけがない」と思ってしまった人間がどうなるか。できない理由を探し始めます。無意識にそれをやります。結果、ほら無理じゃんと思ってやろうともしなくなります。ちょっとくらいやってみるかもしれませんが、すぐ無理だと諦めます最初から無理だと思っているからです。

 

 じゃあどうするか。この逆をやれば良い

 

 


スピリチュアルじゃなくて脳科学

  もし目の前に目的達成への道しるべがあっても、脳が見ようとしない、目に入っているのに気づこうとできない。そういう弊害を生み出すのがスコトーマによる思い込みです。

 

 なぜそうなるかというと、ヒトの脳は五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)から情報を得たとき、自分にとって重要と認識している情報のみを取り入れ、重要度の低い情報を自動的に削ぎ落とす仕組みになっているからです。そして、過去に受けた情動記憶新しい情報を統合して認識する仕組みになっています。情動記憶とは過去の蓄積です。過去の自分が経験した物事やその因果だけでなく、他人から植え付けられた価値観などもあてはまります。スピリチュアルでもなんでもなく、脳科学において解明された構造なのです。その辺りは、以下の記事でも似たようなことを書いています。

雑記:「天使と悪魔」から述べる予定調和

 ヒトは、見る準備のできていないものを見ることはできないのです。一見見えていても、本当に見ているとは言えないのです。それと同じで、全く同じ文章を読んだり、全く同じ会話を聞いたりしても、気づく準備のできている人とそうでない人で「認知できる内容」の幅が全く異なってくるのです。

 

 たとえば映画を見ていて、登場人物の背後に移る雑踏。たくさんの人が右に左に歩いています。しかし、そこで歩いている人々の人数や、どんな人たちが歩いていたかが果たして記憶に残るでしょうか? よっぽど目立つ何かがなければ一切記憶に残らないと思います。重要な情報だとはつゆほども思っていないからです。

 

 レッテル貼りという行為も要注意です。例えばもし何かの間違いが発端であっても、無能のレッテルを貼られてそれが定着した人は、無意識に「無能な人」の通りの行動をとるようになってしまいがちです。脳の潜在意識が上書きされることにより、「ダメな自分」に甘んじることが楽であり快適である状態になってしまうのです。

 なので自分のコントロールが効く範囲で、かかわる相手とその距離感は選ぶのがベターです。ちょっとした愚痴程度ではなく普段からマイナス方向の発言ばかりする人は、その発言を受けとる場所にいるだけでデメリットのある存在となってしまいがちです。

 

 できない言い訳をすることがクセになっている場合も要注意です。たとえその裏で「これではダメだ」と思っている自分もいたとしても、こうした刷り込みによるスコトーマを外すのはなかなか大変です。

 

 

 

引き寄せるんじゃなくて「無意識に近寄っていく」
 そういう意味で、引き寄せ系法則はある範囲内において適切なことを言っていると思います。ただし、若干語弊があります。引き寄せているのではなく、潜在意識に従って、思い込んでいる方向へ無意識に進もうとするクセが身につくのです。

 

 あ、ちなみに「引き寄せの法則」で言われている「駐車場が空いていると思いこんでいたら実際に空く」みたいなのは今回のお話からは外れます。ああいうのは私にもさっぱりわかりません。そういった趙次元のお話は今回の話題からは外しておきます。

 

 

潜在意識の上書き
 ここまで言えば大体のことは分かると思いますが、やることは単純です。「自分が心の底からやりたいこと、なりたい状態」を見つけ出し、その内容で潜在意識を上書きすることです。わざわざ意識的に何かをやろうとしなくても、無意識に目標に向かって行動する自分を作れば良いのです。スピリチュアル的思想でもなければ精神論でもない。

 

 その方法は先ほども言いましたが、何でもいいと思います。いずれかの法則本に書かれていることをやっても良いと思いますし、スマートノート(毎日行った行動内容やそれについてのコメントなどをまとめる)などのタスクで習慣づけるのも良いと思います。習慣ってやつも一種の「当たり前」つまり潜在意識ですから、無意識の習慣づけが定着すれば目標に向かって自動的に進み続けることは可能です。もちろん努力の方向性が間違っていては話になりませんが…。

 

 自分に合う方法を見つけるしかないと思います。自分が本当にやりたい、なりたい状態さえ見つけられたら、1歩ずつ何かを変えていくことはできると思います。なぜなら、自分の世界観が広がるから。今まで見えていなかった景色が見えるようになるから。今まで見過ごしていたチャンスに気づけるようになるから。

 

 私も去年あたりから、自分が元から持っていた考えや、最近新しく考えるようになったこと、これから目指したいことにつながる情報を、まるで引き寄せたかのように頻繁に目にするようになりました。

 

   特に大きかったのは、以前から薄々感じていた現代社会の教育における思想誘導や、明治維新から本質が変わっていない日本の政治システム、さらには国際資本家が自らのために形成した金融資本主義のありかたなどについて、私の仮定とほとんど同じ内容について、明確なソースと知識によって証明してくれている本と出会ったりしたことですね。

 

   意識的に何か新しい調べ方を始めたわけではありません。むしろ、不注意で自動更新されてしまったAmazon primeがもったいないから何か読もう、くらいのところから始まったりしています(勝手に別のクレカから引き落としするのはどうかと思うよAmazonさん)。ともあれ、潜在意識を少しずつ塗り替えることができているのだと思います。

 

 このブログの雑記に書いている内容も、元から思っていたことに対して、そうやって見つけた本で知識の裏付けを得てから投稿しています

 

自分を知る
 今現在の何が良くて、何が問題で、どう変えればいいのかを自己認識するためにあえて無意識の感情を言葉にしてみるのが良いかもしれません。そういう情報の整理は紙に文字で書いてみるのが一番効果的だと言われています。

自分が好きなこと
自分が嫌いなこと
なぜ好きor嫌いなのか

本当はどうしたいのか
なぜそうしたいのか
そうしたいのにできない理由
できない理由への反論
そのために今何ができるのか

 こういった内容について考えてみると、他人に刷り込まれたものではない、本来の自分の目指したいものが見つかるかもしれません。また、自分のスコトーマに気づいたとき、なぜその思考が身についてしまったのかを見つけると一層腑に落ちて思考が進みます。ただし、今の自分を否定するベクトルの思考は止めましょう。「こう変えたい」「こう変わりたい」のベクトルです。

 

 例えば私は父親が高額の借金を背負い、それが原因でいろいろあって、長年生活に苦労したことから「お金に対するリスクを背負うこと」への忌避感がものすごく強くありました。しかし、最近それに気づいたので、「適正なリスクであれば背負っても良い」、むしろ「リスクを背負わなければ何もなしえることはできない」という考え方を素直に受け入れることができるようになりました。

 

 収入の安全性に対するスコトーマは、サラリーマン奴隷をたくさん生み出すための社会による洗脳の一端でもあります。会社員という立場を甘受して、すべての収入管理を放棄してもらった方が国などにとって搾取しやすいからです。学校で教わった内容が原因でこんな思考になっていたんだ」などと気づくだけでも世界は大きく広がります。

 

 さて、目的や目標さえはっきりすれば、後は自分に合うやり方を探しつつ、その目標を明確に自分の当たり前として刷り込んでいくだけです。どんな方法でも良いと思います。今回は非科学的な話を省きましたが、冒頭で上げた各種法則のいずれかが言っている内容をそのまま実践しても問題ないと思います。何しろそれぞれが1冊以上の本になっている内容なので、ここで考察してしまうと分量がとんでもなくなってしまうので割愛します。

 スピリチュアルに寄った方法にしろ、日々の習慣でクセを付けるやり方にしろ、合う合わないは人それぞれ。万人共通の正解はありません。何しろ、持っている目的すら誰1人全く同じにはならないでしょうから。

 

 強いて言うなら、プラスのベクトルで物事を考えることだけは大事です。否定の言葉を使うと、否定した方の内容がそのまま情報としてインプットされてしまいます。また、未来系ではなく現在形で考えるほうが良いとよく言われます。どうやら人間の脳には時間という概念がないようで、過去も未来もすべて現在と同質に扱われているそうです。

 

 

無用の用
 自分のスコトーマを外すとき、まず一番に考慮するべきなのが「今の自分に有益な情報だけ見たい」という発想です。しかし、今の自分にとって役立つ情報ということは、今の自分の状態を肯定するベクトルで動いていくことになります。それに満足しているのなら構いませんが、何かを変えたいと思っているならそのクセも変えるべきです。現代人はあくせく働いていることが多いため、往々にして根本的にこの問題を抱えている人が多いです。

 

 この発想そのものが、スコトーマを生み出す原因であることはこれまでの文章を読んでお分かりいただけると思います。むしろ、未来の自分に役立っているかもしれない情報を先取りしてしまうくらいがちょうど良いかも。

 

 面白いと思った情報や興味深い情報など、アンテナを張る対象は広く持っておくことに越したことはありません。物事を考えている途中に、全く関係のない知識から思いもよらない発見、または知識の組み合わせによるアイデアを得られるということは往々にしてあります。荘子の唱える「無用の用」は、役に立っていなそうな物が存在することの重要さを示していますが、情報に関しても、一見無駄と思える知識を蓄えておくことは案外有意義なものです。

 

 とはいえ、今の時代が情報氾濫社会であるのも事実です。「有害な情報」「何も生み出さない情報」はどんどん省いていきましょう。批判のための批判とか、無関係の他人の炎上や暴言など、全く何の必要性もありません。プラス思考で面白い、興味深い情報だけで十分です。

 


●思考の刷り込みで生まれたスコトーマ(心理的盲目)を外す。
●自分の深層心理からの目的、目標をはっきりさせる。
●潜在意識の上書きにより、自分の「当たり前」を変える。

 引き寄せるというのはどういうことかというと自分が今無意識下で必要としているかどうかでその情報の存在に『気づく』かどうかが変わる、ということ。また、自分の無意識下で進行している取り組みというかタスクについて、無意識で行っている発言や行動や、それをサポートしてくれる人を呼び込むというか、むしろ無意識に近寄っていく結果を生むことだということが分かります。

 

 要するに、自分の潜在意識下で当たり前のこととして進行するようになっているタスクは、意識的、作為的な行動や言動をしなくても「進みやすくなるイベント」が起きやすくなるという現象が起きます。また、同じ出来事が起きたときの感じ方、対応の仕方がそのときの潜在意識を反映したものになります。

 

 以上、引き寄せ系の法則は、スピリチュアル世界や精神論を除いても見るべき内容があること、「できない自分」を作り上げるシステムは脳科学によっても判明していることがわかります。自分のスコトーマを外すだけでも、「何も変えることができなかった人生」からの脱却を始めることができると思います。潜在意識の上書きは一朝一夕でどうにかなるものではないと思いますが、可能性を0から1にする、さらにそこから積み上げていくということには大きな意味があると思います。