雑記:私が投機をしない理由~過去の失敗やお試しを踏まえて

投稿日 2022年3月16日 最終更新日 2022年3月16日

 投機とは、相場取引等のゼロサムゲームで収入を得る活動というのが個人的な解釈です。そして私は投機をするつもりが基本的にありません。その理由についてまとめてみます。あくまで個人的な結論なので、私と異なる選択をしている人がいることを否定するものではありません


もくじ
1.個別株取引
●投機としての株
●数の暴力による相場変動
●結論:株はやるなら超長期

2.外国為替取引(FX)
●投機の王道
●弱肉強食の世界
●結論:「生業」として不適格

3.ギャンブル
●パチンコ
●競馬
●宝くじ

 

1.個別株取引
●投機としての株
 投資の王道としてまず挙げられるのは株式取引といっても過言ではないでしょう。しかし短期的な株取引は投資(プラスサムゲーム)ではなく投機(ゼロサムゲーム)です。

 株による「投資」とは、出資した企業の発展を見込んで資金投入し、その成長度合いによって上昇した株価を自分も享受するタイプの取引です。ある企業の株を購入するとき、同じ企業の株を買った人、投資してもらった企業(さらにいえば企業の顧客や取引先も)が全員得をするのが目標となるプラスサムゲームであるということ。

 一方、株による「投機」とは、安い時に買って高い時に売る(手順が逆の場合もあり)ことを指します。こちらは、「高い時に買って安い時に売る」ことをしてしまう人がいる前提の取引で、市場全体で総数の決まったパイを奪い合うゼロサムゲームの取引というわけです。

 

●数の暴力による相場変動
 さて、私はほんの一時期だけ株をかじったことがあります。ある企業において、時勢に乗った発展が見込める事業が展開され、それが形になったという点で「これから上がる」と言われている企業の株を、2~3か月の中期目線で購入してみたのです。

 「必ず損切りラインを設定するように」というセオリー通りに「普通ならそこまで下がらない」ラインで指値売りを設定。毎日相場を確認しました。

 明らかに値上がりの動きがそれなりに強くあることは確かだったのですが、それを上回る売りに潰されるという状況が続きました。その後売りはさらに強くなり、従来の価格の2/3未満となってしまい、損切ラインを越えてしまったのです。その後も上がる気配がなかったので、そのまま完全撤退としました。

 その後数週間低迷を続けた株価は、1か月ほど後に急騰し、最初の価格の約2倍まで上がったそうです。この場合、損切りを想定しなければ株を保持したまま利益を上げることができたのですが、最初の下がり方が異常であったため、物理的に市場から排除されてしまう形となったわけです。

  ある意味、たかが数万円でこのような勉強ができたのだから勉強代としては安かったのかもしれません。大切な種銭になるはずの資金でもあったので、もう再び同じ金額を損しても良いとは思いませんけどね。

 

 この不自然な価格の暴落は、機関投資家による空売りの暴力であったと言われています。株式投資では「持っていない株を売る」こともできるんですよね。

 株式投資においては、短期的な相場取引による収益化を数の暴力で成し遂げることができる手合いが存在するということです。そしてそういう大口のプレイヤーにとっては、投資目的のトレーダーすら餌に過ぎない場合があるということ。

 つまり株式投資においては、自分の目的が中長期の投資であったとしても、短期的な投機の対象となってしまうことは避けられないという点は頭に入れておく必要があるということですね。

 

●結論:株はやるなら超長期
 正直、毎日のように株式相場を確認し続けるのは手間なうえに、ストレスも大きいです。職業トレーダーになるならまだまだしもですが、しっかり勉強したうえで時間も割く必要があるでしょう。私はそういう職業的な相場取引を望んでいるわけではありません。

 上記のような概念を排除するなら、S&P500などの指数をベースにしたインデックスのような、10年20年先を見据えた投資のみが選択肢に入るかなと思います。もちろん高配当株投資などもそれに類しますが、こちらは銘柄の選定と分散投資を考えるとかなり手間は増えます。

 いずれにせよ株式投資では、数日や数か月、1~2年で利益を上げようというスタンスは全く合わないとつくづく思いました。

 

 

2.外国為替取引(FX)
●投機の王道
 「投資で儲ける」という手段においてまずFXを思い起こす人も多いのではないでしょうか。インターネットでお手軽に取引できることもあり、FXに参入する人も多いようです。ただし、私の分類分け上ではFXは投資ではなく投機となります。よって「投機の王道」と呼ぶべき取引がFXといえるでしょう。

 知らない方がいるかもしれないので軽く説明すると、「円⇔ドル」「ドル⇔ポンド」などの通貨の為替相場の変動を利用して利鞘を稼ぐのが外国為替取引です。例えば1ドル90円のときにドルを購入し、1ドル100円のときにドルを売却(円を購入)すれば差額の10円×投資分が儲かることになりますよね。実際には手数料や税金なども存在するので丸々得をするわけではありませんが、基本的にはこのような概念です。

 

●弱肉強食の世界
 ここまでの説明でもうお分かりでしょうが、為替相場は株式と異なり、市場全体が成長して全員が得をするという概念は存在しません完全なゼロサムゲームによるパイの奪い合いなのです。

 また株式における機関投資家の活動のように、大口の取引による影響も存在します。個人のFX投資家はそうした投資家心理や世界の経済情勢などの大きな流れを読んだうえで、今後の為替相場がどちらの方向に推移していくかを推測して投機を行うわけです。ある意味完全にアウェイのゲームで勝ちに行く必要があるので、大半の個人投資家は損失を出して退場していくわけです。

 特にFXでは「レバレッジ」をかけて取引を行うのが主流なので、想定外の損失を出して人生を狂わせる投資家が多いのも恐ろしいところです。レバレッジとは、実際に投入した現金の数倍(数値は自分で指定)の金額を「取引したこと」にして結果を受け取る感じのシステムです。こうした信用取引という概念がまた、金融資本主義社会の色々とアレな格差の根源と言えたりもしますが割愛します。

 こうした弱肉強食の世界で生きていく上では、ローソク足などを活用して相場のパターンについてしっかり理解したうえで過去の分析を行い、リスク&リターンを見計らってから、「トータルで勝てる」と見込んで市場参入していくことが必須なわけです。

 

●結論:「生業」として不適格
 私もFXに関してある程度勉強してみたりデモトレードを触ってみたりしましたが、結局一生勉強し続けてポテンシャルを「維持」していく必要があるという点、自分が得することはイコールで他人が損をするという点において私のライフワークとして不適格であると考えました。

 仮に猛勉強して投資家として成功しても、それ以降ずっと新しい知識を「上書き」していかないと儲け続けることはできません。その上書きとはスキルの蓄積をもたらすものではないし、もし他の稼ぎ方をしたくなってもFXでの経験を生かすことができるかというと難しいでしょう。副産物として経済や世界情勢の知識は吸収できているでしょうけどね。

  よって、私が収益を獲得する手段として為替取引は選択肢から外れることとなりました。とはいえしっかり勉強すれば種銭を稼げるという点では、適正なリスクを取った上で参入することは決して悪い事ではありません。

 あと、FX会社によっては勝ちすぎたトレーダーを排除したりする(最悪資金も没収)ことがあるようなので、参入するにしても場所は選んでくださいね。


▲デモトレードなら無料(もちろん利益もない)だし、実戦も3000円分無料なのでノーリスク分だけ遊んでみるのは手だと思います。やってみて「自分に合う」なら続ければよいし、「合わない」なら損害ゼロで撤退できます。

 

3.ギャンブル
●パチンコ
 今のパチンコは研究し尽くせば割と勝てたりするらしいですけどね。こちらも結局は人力労働にすぎない点、アウェイのゲームで勝ちに行く必要がある点では他の投機と変わらないし、勝ちすぎたらいろいろと問題もあったりするわけで、コレで食べていこう、とはとても思えないですね。

 娯楽でやってる人もいるみたいだし、存在そのものを否定しようとは思いませんが手を出すつもりはありません。

 

●競馬
 こちらは部外者目線だと、完全にギャンブル以外の何物でもないですね…。娯楽でやるならお好きにどうぞって感じじゃないでしょうか。特に地方だと〇百長疑惑とかもあったりするとかなんとか聞きますがあまり触れたくない。

 

●宝くじ
 還元率の低さから、ギャンブルとすら呼べないお祭り散財だと思います。捨て銭感覚でやるならご自由に。もちろん私はまとまった金額を投下しようとは全く思いません。

 


まとめ
1.個別株取引
●投機としての株
⇒本来の意義は企業の発展性に対しての投資。
⇒短期の相場取引は投資ではなく投機。

●数の暴力による相場変動
⇒機関投資家と戦ってはいけない。
⇒投資目的でも投機の煽りは避けられない。

●結論:株はやるなら超長期
⇒安定性と手間のかからなさが魅力のインデックス。
⇒定期的にお小遣いが手に入る高配当株の分散投資。


2.外国為替取引(FX)
●投機の王道
⇒お金でお金を儲ける定番の「投機」。
⇒為替相場の変動幅で利鞘を稼ぐ。

●弱肉強食の世界
⇒増えないパイの奪い合い
⇒個人はアウェイのゲームで勝つ必要がある。
⇒レバレッジを甘く見ると痛い目に合う。
⇒勉強や分析をしっかり行い、
 リスク&リターンを見計らって戦う必要がある。

●結論:「生業」として不適格
⇒続ける限り知識の「上書き」が常に必要。
⇒自分が得をした分、必ず誰かが損をする。
⇒潰しのきかないスキル(経済知識は別としても)。
⇒個人的な価値観に相反する概念。


3.ギャンブル
●パチンコ
⇒勉強すれば勝てたりするらしい。
⇒結局は人的資本の投入に過ぎない。
⇒社会的、業界的問題もある。

●競馬
⇒どう考えてもただのギャンブル。
⇒公平性すら担保できない場合も。

●宝くじ
⇒還元率激低の「投げ銭」。
⇒お祭り気分で少し投入するくらいのお遊びならまあ?

4.総括
●継続的労働力の消費量が結局多い。
●自分の価値観や生活スタイルに合わない。
●リスク&リターンの感覚が合わない。

 結論としては、同じ働くならやっぱり付加価値を生み出す活動で生活していきたいよねって感じです。

 

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参考書籍
「投機」ではなく、投資や貯蓄で資産形成していく観点で記された書籍たち。

▲「5つの力」を高めて小金持ちを目指そう。

 

▲学校では教えてくれない、本当のお金の知識。

 

▲安定の米国株投資について分かりやすく解説。

 

▲毎月貯蓄すればお金は貯まる。お金に働かせれば自動的にお金が増える。
 当たり前のようで当たり前でない、古代の知恵の結晶たち。

 

▲ハイパー貯蓄モードから始まる資産形成のリアルな実例。