投稿日 2022年3月11日 最終更新日 2022年3月11日
近頃、耳にする頻度が上がってきている「自己肯定感」というフレーズ。「自己肯定感が低いのは分かってるんだけどな~」とか、「どうやったら自己肯定感が上がるんだろう」とか、概ね「足りてない自覚」があってもイマイチピンと来ていない人も多いと思います。
世の中には自己肯定感や自己承認について語っているメディアも多くありますが、周りの「つい自己卑下してしまうタイプの人」向けに、ここでもあえて取り上げてみます。
自己承認とは
これめちゃくちゃ大事なこと pic.twitter.com/65JrCBurTZ
— クローゼ・L (@KloseBox) February 3, 2022
はい、これが今回の話題の回答です。(出典:英雄伝説 創の軌跡)
善も悪も、出自も生い立ちも 何をしても何をしなくても 何を持っていても何を持っていなくても その人はその人だよ。 理由なんていらないし 誰が認めても、誰が認めなくても そこは変わらない。
こういう自己を認めることを自己承認と言います。
自己肯定感を「高める」というよりは
まず大体の人は根本的な前提を見誤っている気がします。自己肯定感について「高める」「上げる」という言葉に囚われ過ぎているんですよね。自己肯定感とは「がんばって高めるものではないんですよ。目的がズレているので、がんばっても何も変わらないのは当然のこと。
「知識とは選択肢を増やすツールである」という言葉の通り、無知であることは自ら選択肢を放棄しているのと同じ状態。というわけで、自己承認(自己肯定感を高い状態にする)とは何なのかをまず正確にとらえておくことが必須です。
仕事ができなくても 頭が良くなくても 要領が悪くても 失敗が多くても 他人と「違って」も 自分のダメなところも もちろん良いところも 「そういう自分」を否定せず ありのままに認め、受け入れ、許すこと それが自己承認。
否定をしないというところが最も大切だと思います。自己卑下しつつ「こんな自分はダメだから自己肯定感を高めないと」と言っている間は一生変われません。自己受容という表現もあるらしく、その方が本質が感覚的に分かりやすいかもしれませんね。
もちろん、「自分はこうだからこのままで良い」だと成長性のないスタンスになってしまうので若干ベクトルが異なります。「過去と現在の自分を素直に認める」という感じです。
この辺を掘り下げると何倍にも文字数が増えてしまうので割愛します。まあそもそも失敗することそのものが悪というのは戦後日本社会の最悪の刷り込みだと思いますが。
「成功体験を積む」とは
自己肯定感を「高める」行為として「小さな成功体験を積み重ねる」という方法論が広まり、その本来の意味が抜け落ちた表面的な文言だけ伝わってしまった結果、誤った認識が定着してしまったのではないかな、と思います。
しかしこの「小さな成功体験」はそれこそ、「朝寝坊せずに起きれた自分、エラい!」とか、「仕事を定時までに終わらせることができた自分、すごい!」とか、「料理を自炊している自分、超がんばってる!」とか、何でも良いので自分の「出来ている側面」にスポットを当て、「なんだ自分デキるじゃん」っていう認識を持つことで高い自己肯定感を得る思考法なんですよね。
もちろん、上記のような内容は自己肯定感がかなり低い人向けのカテゴリであることは事実ですが、根本的な考えはどんな人を対象にしても変わらないと思います。
「今の自分はダメ」というある種の自己洗脳が潜在意識に染みついているのが「自己肯定感の低い」状態です。もちろんこの自己洗脳の種をまいたのが親であったり社会であったりすることもありますが(幼少期における親の影響が極めて大きいことは心理学的にも言われています)、結果として自分自身がそれを受け入れてしまうことが最終的な鍵となっています。
その潜在意識が将来の行動に対しても影響を与え、「出来ない自分」を無意識的に演出してしまうので、結果として「ほらやっぱり自分はダメなやつじゃん」というマイナスの自己肯定が積み重なる無限ループに陥るのが自己卑下タイプの人の特徴です。
このように、「ダメな自分」というレッテルを剥がす行為が自己承認(自己受容)というわけです。某大御所の言葉に「生きてるだけで丸儲け」というものがありますが、「自分、生きてるだけですごい!エラい!」くらいに思うのが、ある意味一番レベルの高い自己肯定だと言えるでしょう。
解釈を変える
他に、自分が「欠点と思っていること」への見方を変えることで自己承認を深める方法もあります。
憶病で行動が遅い⇒慎重で失敗が少ない 気まぐれ⇒好奇心旺盛 喜怒哀楽が激しい⇒感受性が豊か
このように、人間の短所はつねに長所と裏返しとなっています。そのことを理解し、「使えるところを使う」発想をすることで、自分を否定せず受け入れることが可能です。
もちろん、それを理解したうえで「これからの自分に必要な要素は違うからこう変えていこう」とステップアップしていくのもまた自由なわけです。
過去の断捨離
あとは過去の選択を否定するのではなく、「当時の自分には確かに必要だったけど今の自分には必要なくなった」という目線で解釈するのも結構大切なことだと思います。これは日々のタスクや行動様式に限らず人間関係や持ち物、契約などに関しても同じです。
とくに人間関係に関しては、自分の思考レベルが向上すると「元からの人間関係」がコンフォートゾーン(快適な領域)でなくなって戸惑うという現象は珍しい事ではありません。
むしろ自己成長(人生の向上)を求めるなら、積極的にコンフォートゾーンを従来の外側へずらしていく必要があるということですね。これを求めるために「チャレンジ」が必要という論理が出てくるわけですね。
まとめ
1.自己承認とは 自分のダメなところも良いところも 「そういう自分」を否定せず ありのままに認め、受け入れ、許すこと 2.「小さな成功体験を積む」とは 「成功体験を積むためにがんばる」のではなく、 「元から出来ている」ことにスポットを当てて 過去や現在の自己を肯定していく。 3.自己解釈を変える ●自分の短所を長所に置き換える。 ⇒今の自分は決して否定されるべき対象ではない。 ●「ダメな自分」のレッテルを剥がす。 ⇒潜在意識に刷り込まれた自分像に基づいて そういう自分を「無意識的に演じてしまう」から。 4.過去の断捨離 「当時の自分には確かに必要だったけど今は必要なくなった」 という解釈を行うことで、過去と現在、未来をともに肯定する。 ⇒行動様式だけでなく、人間関係や持ち物なども。
わかれば単純なことなのですが、字面だけ拡散されてしまって誤解している人がかなり多いように思えます。
ある意味で、この記事をここまで読んだ自己肯定感の低い人は変われる準備ができているかもしれないということなので(潜在意識に基づいた無意識的な選択)、一度自己を振り返ってみても良いかもしれません。
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潜在意識を書き換える自己成長プログラムに関して述べた記事です。結局自分が深層心理で信じられることが大切ってことです。
予定調和論に基づいた行動指針「すべての選択は自分によるものである」という概念についてまとめたものです。自己を卑下するか受容するかも「最終的には自分の選択」であることを忘れずに。
1記事追加添付しました。自己承認最大の敵は承認欲求、つまり他人に承認してもらわないと生きていけない人生です。しかし他人の承認は消費物なので、常に補充しないと生きていられなくなります。そうした消費型の満足=地位財ではなく、自分軸で満足を得られる非地位財を得ることでよりいっそう自己肯定感の高い人生を送れるようになります。