アラド戦記:超主観的レイド評価ランキング4~6位(コメント企画)

 今回はタイトルの通り、アラド戦記に実装された各レイドのクオリティを、超主観的な目線でランク付けしていきます。なお、文章量が増えすぎたので2記事に分けることにします。

 「だからどうする」という考察的な記事ではなくて、箸休め的なエンタメ企画って感じです。多分正反対の意見の人もいるとは思いますが、「こんな事考えてるやつもいるのか~」くらいに読み流してください。

 なお、レイドランキングを考えるとき、どうしてもレイドそのものの出来具合だけではなく、その背景となる当時のレベルキャップにおける他コンテンツの質も考えざるを得ないという点は前提となります。


4位:シロコレイド
 100レベルキャップ最初のレイドであるシロコレイドを4位としました。

●評価する点
1.装備の多様性を若干取り戻したこと
 100レベルエピックは95レベルとは異なり、エピックの種類がさまざまでありながら、集めやすさも85キャップより改善されている点はメリットだったと思います。

 どうせ強いエピックしか使わない論調もありますが、そもそもの選択肢がない(決まったコンテンツに通えば決まったエピックがもらえるだけ)のとでは前提が違うかなというのが個人的な価値観です。

 決まったエピックしか存在せず、全く同じプレイを繰り返すだけなら、サブキャラの運用が「弱くてニューゲーム」にしかなりませんからね。装備を揃えてもメインキャラの下位互換にしかならないなら、メインキャラ以外を動かすことに大した楽しみは感じにくいですし。

 また、シロコレイド自体に関しても、各装備の個性はそれなりに面白いものだったと思っています。エピック装備の方で基本的な差別化ができているので、極端に強さが分かれても困る。とはいっても何らかの個性はあってほしい。そういうニュアンスでは悪くないバランスと個性だったと思います。もちろん100点満点とは言えないですがね。

 

2.「待ち時間」の減少
 ネームドやボスが最初から無敵で、ギミックをこなすまで戦うことができない現象は100レベルキャップでかなり減らしてくれたイメージがあります。もちろんネックスやビータ、シロコ本体のギミックなど一部存在しますが、「待たされるのが当たり前」ということはなくなりました。

 人間という生き物は「選択肢を奪われる」行為にストレスを感じるものだと思います。キャラクターを強くすればギミック前に倒せるというのは、アクションRPGとしては健全な方向に属するのではないかな。

 

3.「レイドが落ちる」リスクの軽減
 アントンからイシスまでの傾向として、特定ダンジョンの失敗条件を満たすとレイド自体が失敗するリスクが比較的高く存在しました。

 その点においてシロコレイドでは、一部攻略が初期化される現象こそあるものの、基本的には制限時間をオーバーしなければどうにかなる設計であったといえますね。

 もはや95キャップ以降、常に「失敗」リスクを背負うほどラスボス感の高いレイドが(ハードを除き)存在しなかったのもあり、単なるトラブルでレイドが落ちることがなくなったのは良い点なのかもしれない?

 その他、攻略のカスタマイズ性に関しては「4位以下のレイドにも同じくらいあった」のでアラド戦記自体の長所であるといえそうです。オズマとアントンだけさらに自由度が高いイメージですね。

 

●評価しない点
1.卒業が困難
 確かに「みんな同じ装備」現象が味気ないのは確かですが、アントン時代みたいに卒業自体が困難な方が良いとは誰も言っていません。

 シロコレイドでは一応メタモンもあるし、壺を購入できる頻度もまだしも高めなのでアントン時代よりは卒業しやすいですが、週2回しか入場できないレイドにしては「努力のしようがなかった」のはマイナス評点かなと。

 

2.作業化の早さ
 初日からのクリア率の高さに加え、レイド攻略が単なる作業になる早さは相当なものだったと思います。これに関しては開発チームが「真覚醒を順次実装している段階であるため意図的に易しくしている」という意図であったようなのでやむを得ないことでした。

 とはいえ卒業までの期間の長さも相まって「ダラダラと作業を続けさせられる」という側面は否めなかったと言えます。

 

3.赤字コンテンツ
 入場アイテムのアイオライトが取引可能アイテムであること、他にも用途が多いこと、その割にレイドに通うことで利益が発生する可能性が著しく低いことから「通えば通うほど赤字」になってしまうジレンマを抱えていました。

 なので、運良く残り香+3セットが揃ったらすぐに切り上げてしまいたいレイドでしかなかったのは失敗点でしたね。レジェンダリーカードのドロップ率なんて、10キャラ通っても3か月に1枚も出ないような状態でしたし。これが改善されたのがオズマレイドです。

 

 以上、難易度という側面ではかなり微妙であったフシはありますが、総合的にみた「完成度」は悪くない方だったのではないかと思います。

 この時期からキャラクターごとの強弱格差もいよいよ激しくなってきたことから、敵は強くても弱くても必ず不満が出る状態であったことも確かだと思います。

 

5位:イシスレイド
 95キャップの締めとなったイシスレイドは5位としました。

●評価する点
1.
戦術性の高さ
 1フェーズでスレニーコーンの残りHPを維持しつつ、迎撃をどれくらい処理する必要があるか、魔塔をクリアすべき戦力なのか、聖地に振り分けられる戦力はいくらかといった戦術性は個人的に良かったと思っています。

 また、2フェーズも観測塔、激戦地、大庭園の3ダンジョンをどう消化していくか、イシス本体をどう削っていくかに関する戦術性は、客観的にみると比較的面白いものだったといえます。

 

2.ハードモードの恩恵
 日本独自で実装されたハードモード。報酬は確定でもらえる現黒天武器と、それにのみ付与できる最高能力の宝珠でした。

 個人的にこのような、「上位向けのエンドコンテンツ」で「絶対必要ではないけどあると嬉しい」報酬があるのは非常に好きなコンテンツスタイルなので、実装そのものをプラス評価とします。

 コイン消費制限の強化や新規お邪魔キャラの追加などはあまり良かったとは言えませんが、常に中だるみであったといえる95キャップの中で久々の達成感を味わえたコンテンツじゃないかと思います。

 

 

●評価しない点
1.即死が多すぎる
 なんか少しでもミスったり事故ったり、ギミック時間が経過したりしたら、すぐ全員に強制即死をかけてきましたよね。アクションゲームとしてはイマイチだったんじゃないかと思います。

 異界も即死自体は多かったですが、もう少し自由度があったと個人的には感じています。

 

2.入場システムの強制力
 スレニーコーンがダンジョン前に到達した時点で、入口にいたメンバーが自動入場するシステム。ある意味斬新なのですが、入場ミスのリスクが極めて高いこと、「もっと速く飛んでほしい」などの選択性がないことから、デメリットとして作用した側面が強いことも否めません。

 

3.報酬装備も淡泊
 報酬となるアップグレード装備は一応3種類ありましたが、基本的にはほぼ1本道の選択であったといえます。

 黒天武器オプションもイマイチパッとしなかったし、卒業したことそのものがある種の「業務完了」に過ぎなかったのは95キャップ全体の欠点かなと思います。

 

4.終わらないテラニウム依存
 もはや言うまでもないですよね。どうして90キャップの負の遺産を引き継いでしまったのか。入場料を稼ぐための工夫作業を回避する方法が(当時はジョナサン価格が高かったこともあって)実質存在しなかったのは無策だったと思います。

 

 以上、イシスレイドは大局的に見たときは面白味があったり、後のレイドの土台になった部分もあったりする点は評価できますが、アクションRPGのダンジョンとしては落第点だったというのが個人的な感想です。

 

 

6位:ルークレイド
 ちょっと迷いましたが最下位はルークレイドです。防御力4倍の問題もありましたが、それとは別問題で評価しています。

●評価する点
1.簡易ながらリアルタイム感のある進行
 ルークレイドの進行はほとんど1本道に等しいですが、エネルギー遮断などの補助ダンジョンの存在によって攻略のリアルタイム感を生み出していたのは絶妙なバランスだったといえそう。

 4倍ルークにおいて、「あと〇〇秒!」「あと〇〇ゲージ!」という緊迫感を味わえたのは良い経験だったかもしれません。

 

2.報酬確定入手のはじまり
 「通い続ければ必ず装備は揃う」レイドのはじまりでした。週2回限定コンテンツなので、努力のしようがない以上は天井を設定するべきだとは思います。

 

3.まだアクション性はあるほうだった
 アントンレイドからルークレイドまでは比較的、アクション性を重視するダンジョンだったといえるのではないでしょうか。純粋なダンジョン攻略の仕組み自体は決して悪いものではなかったといえます。

 シロコ以降も仕組み的には比較的高めの評価を与えられるとは思いますが、環境がぶっぱ前提になってしまったので何ともいえないですね。対シロコや対オズマではそれなりに遊べましたが。

 

●評価しない点
1.職差がひどすぎる
 レイド仕様改変前は「ヒット数が多すぎればカノープスなどで不遇」、改変前後含めて「ヒット数が少ないパーティはルークでつらい」といった職差があからさまだったのは最も良くない点だと思います。

 ちなみに当時動かしていたエレマスは、改変前にヒット数が多すぎてやりづらかったのに、改変後にはヒット数が少なぎてやりづらい状態といういじめを受けた記憶があります。

 シナジー系(当時は明確な枠ではなくスキルの所持できまる)の職業の格差も防御デバフ>その他といった形でしたし…。4倍ルークに関しても、「職業だけで参入障壁に差がありすぎる」点に限っては完全にアウトだったと思います。

 例えばアントンレイドにも参入障壁の差はありますが、少なくとも火力装備さえしっかりしていれば職だけでけられることはそうそうありませんでしたからね。6位にした原因はこれが最大の理由です。

※例えばMMOなどで同じキャラがジョブチェンジできる場合や、消化回数がアカウント帰属である場合などは職メタが存在するのも悪くないと思いますが、アラド戦記は職固定かつ装備も回数もキャラ帰属制なのでゲームデザインにそぐわないという話です

2.クラ落ちが即失敗のリスクを抱える
 レイドに緊迫感があるのは悪い事ではないですが、クラ落ちが発生したタイミングによってほぼリカバリー不可能になる状態があったのはどうかなと思いました。アントンやイシスと比べても致命的だったのではないかな。この点はシロコレイド以降大幅に緩和されましたね。

 

3.極端な難易度変動
 まず実装直後は多くのプレイヤーを震撼させた防御力4倍問題がありました。防御デバフ職がいなければよほどの廃クルセでもいないとクリアが困難。一方、複数の防御デバフを重ねると一気に柔らかくなる。もともと職差が激しいダンジョンだったのに、さらに追加で人選基準を加えてしまったのは失敗だったと思います。

 全身エピック装備を増幅したレンジャーが冷遇されたり、火力枠募集の選別が職業基準で極めてシビアでしたからね。

 ちょうどミストレスという防御デバフのために生まれてきたような職が(あくまで当時は)実装されたこともあり、クロニクルでデバフだけに特化したミストレスが優遇されていたのとは対照的です。

 もちろんロールは大事なのでこの2職を同列で語ることはできませんが、「どれだけ努力しても職だけで火力募集に入れないことがある」のはかなり痛かったのではないかな。

 

 4倍難易度そのものに関しては、個人的には絶妙なラインだったとは思っています。あくまで「一部層のみがクリアできるハイエンドコンテンツとしては」ですが。楽しかったのは間違いないんですよね。

 でもやっぱり、職だけで差別される状況は異常です。例えば対応策としてハード難易度は別に用意するとか、防御ではない形で(例えばHPなど)テコ入れするとか。とはいっても本家より単純に難しくするのはナンセンスだとは思うので、やっぱり難易度分けがベターだったと思います。

 

 その後、4倍防御の問題がプレイヤーのリークによって4gamerで話題になるなどした結果、本来の防御力への修正が行われました。それはそれでよかったのですが…。

 個人的には日本環境での等倍ルークは著しく作業プレイ化してしまった印象がぬぐえませんでした、これはこれで「楽しめるコンテンツ」としての質は低いものとなってしまったなという側面は、どうしても否定できません。

 つまり、シビアすぎる状態から簡単すぎる状態へシフトしたため、楽しめるコンテンツとしての寿命が著しく短期化してしまったという印象を持っています。これがルークレイドを6位にした2つ目の理由です。

 

3.ハードモードの残念さ
 ルークレイドにもハードモードがあったんですよね。固有報酬は自己満足用のPTフレーム&PT申請フレーム。

 高難易度の報酬を自己満レベルにとどめておくのは決して悪いことはありません。最大難易度をいわゆる「人権」のもとにすると絶対荒れることが目に見えているからです。

 問題は、ハードで追加されたギミックが「ただの嫌がらせ」に終始したことだと思っています。あれはどう見てもその次元…。

 ハードイシスは難易度、報酬ともに理想に近く(それでも追加ネームドは微妙だったけど)、ハードシロコは難易度と実装タイミングはイマイチだけど報酬面は悪くなかったのに比べると、ハードルークはすぐ廃れたのも当然かなというのが正直なところです。

 

4.エピックセットからのアプグレ
 当時の地獄パーティの仕様上、防具セットを揃えていないとアプグレの土俵に立てないのはかなり厳しかったのではないかな。ということで一応欠点にいれておきます。

 

 以上、最下位はルークレイドでした。適正難易度における攻略の楽しみに関しては、職の選定だけで攻略難易度が大きく変わる仕様を除けば決して悪くなかったんですけどね。なのでルークに関しては個人的に「4倍で遊びつくした」これに尽きると思います。

 ルークで学習したのか、95キャップ以降のコンテンツは「全職に人権を」というコンセプトが前面に出ていた印象があります。逆にそれをやりすぎてシナジー職の効果を固定したり、果ては無くしてしまったりすることになったので良し悪しだったのですけどね。


 以上、ランキングの下位を紹介しました。万人にとって100点満点のゲームを作ることは不可能です。とはいえ、ゲームのターゲット層全体にとって70点のゲームを作ることは不可能ではないと思います。

 実際、100レベルキャップは紆余曲折あったものの、それに近い状態を生み出したのではないかなと思います。新ディレクターによる開発がうまく進んでほしいところですね。