【スターオーシャン6】ストーリー前半の感想

投稿日 2022年11月11日 最終更新日 2022年11月11日

 そろそろ半分くらいな攻略したのかな? ということでストーリーの感想を。露骨なネタバレは避けようと思いますが、ゼロ情報とまではいかないのでまっさらの知識でプレイしたい人はご注意ください。


前半は中世風の強い物語

 物語の前半といえるアスター4号星でのシナリオはほぼ全編にわたって「中世王室物語」とでもいうべき内容になっており、SO2~3のイメージに対してちょっと目新しい感じはしました。

 王室内の権力闘争、技術革新への葛藤、隣国との政治的問題や間諜による工作など、先進惑星の概念を除いた中世ファンタジーとしても十分面白味のある内容だと思います。

 ともすれば無謀な行動をとりがちなレティシアも、王室に関わる問題になると冷静な視点を持って王族らしい行動をとります。そうした繊細な政治的視点もそれなりのリアリティがあるため、個人的な印象は悪くありません。

 物語の個々の展開そのものへの目新しさは薄いものの、それらのパーツがしっかりまとまっている感があります。また、そこに降り立ったレイや、あるいは敵側についた面々による先進技術の片鱗をどのように扱うかという点も見どころです。

 強いて言えば、特定の敵に対する味方の行動が逐一、せっかく追い詰めても画竜点睛を欠いて逃げられる展開が気になったかな。そこに関しては、その油断が後々の問題を生み出しているのでは? というご都合主義を感じる側面があります。

 

未開惑星における科学技術

 今回も出てくる「未開惑星保護条約」ですが、レイモンド側は「過度な干渉はとらないものの、やむを得ず行う最低限の違反は敢行する」スタイルですね。そもそもレイの出身である星が反銀河連邦に属するようなので、守る必要もないのではという微妙な位置づけ。

 逆にどちらかというと、敵側が露骨に「未開惑星保護条約」を破るような動きをしてきます。それによって技術革新が起きた隣国と対峙することになるので、先進的な兵器を所持していないレイや、現地民の中でも存在がオーパーツといえる科学者・ミダスを始めとする面々が如何に行動するか、というところも見どころ。

 また、アスター4号星の実情やオーシディアス王国の過去を知らないプレイヤー視点を意識して、レイモンド編から始めたのは正解だったなと改めて思いました。

 

未来を越えた概念との遭遇

 一方、レイがアスター星系からようやく脱出できるという段階で、新たな敵…というか既存の敵のバックにいる存在が見えてきました。その結果、現地で仲間になった面々を含めて宇宙へ飛び立つことになります。この段階において急に出てくる概念が、画像のJJをはじめとする機械生命体スコピアム。

 「機械の体を取り入れたサイボーグ」のように見えますが、厳密にはそれと異なる何かであるスコピアム。詳細は物語の核心になるので割愛しますが、これまで限りなく中世風に偏っていた物語が、急に超未来的概念を中核とする宇宙物語へと転換していきます。なんというか、スコピアムに関しては哲学的な観念が濃厚になってきている印象。

 アスター4号星における中世王室物語とはまるで異なる様相を呈してくるので、ある意味ではスターオーシャン6は一粒で二度おいしいお話なのかもしれません。もちろんスターオーシャンシリーズは概ね「未開惑星⇒宇宙」への展開というイメージはあるので物語の転換自体が珍しいわけではありませんが、今回はその落差がより一層激しい気がします。


 というわけで、今回の物語に関しては前半を終えた段階では基本的に満足です。3が半ば黒歴史になったようでありながら、ケニー一族のマリエルが登場するなどストーリーの舞台は共有されていたり、細かいところをつつくと色々と問題はあるのかもしれませんが、6の物語単体で見ると個人的には面白い方かな。スコピアム絡みの話はまだ序盤もいいところだと思うので、これからの展開は全く未知数ですが。