アラド戦記:コメント企画「質問回答」@お金編

 前回に続き、質問に対して客観ベースで、時に主観も交えて回答していきます。


1.ゲント等で時間給の金策をするよりも、その時間で
  バイトした金で課金する方が良いよ論について。

2.アラドは物価差で儲けるのが一番稼げる理論について。

 3.ドラゴンパッケージに次いでゲーム内で史上類を見ない
    インフレを起こした今回の次元パッケージについて思う
    事と運営の思惑の推察。
Q.ゲント等で時間給の金策をするよりも、その時間で
 バイトした金で課金する方が良いよ論について。
A.そもそも警備しない時間をバイトに充てられるのかによる。

 リアル金策最強論に関しては、平常時はともかくGWや年末のパッケージ販売中のゴールド安環境においては周知のとおりの事実だと思います。

 仮にゲントなどの金策が時給8Mとすると、平常時の50M5000円環境だと時給800円相当となり、半端なバイトをするくらいならアラドで楽に警備したほうが事実上の労働対価は高い場合も多いと思います。何しろ通勤時間は必要ない上にリアル疲労もほぼ必要ありませんからね。

 とはいえ、ゴールド安が加速すると50M3000円を切る状態になるので(次元パッケは特に顕著でした)、時給400円未満のバイトをするのはもったいなくないか? というのが質問の主眼だと思います。

 これに関しては回答のとおり、そもそも金策をやめたらバイトしに行くのか? という一点が結構忘れられがちだと思います。

 特に学生はともかく社会人に関しては、わざわざ終業後や休日のためにバイトの面接を受けに行って、アラドのためだけに働くなんていう余力は果たして残っているのか。

 余裕があるならバイトや残業(意図的にできるなら)は確かに選択肢の1つだと思いますが、煽り文句の定型文の1つとして使われているに過ぎない側面もあると思います。

 個人的な話だと、Webライターの副業をもう少し増やしても良いなと思ったりはするのですが、それすら「案件を取りに行く」のはかなり手間なうえに、収益性(文字単価)の担保も難しいといった理由から自発的に「探す」ことはしてません。ちなみに私が在宅でないバイトをする可能性は、通勤リスクに見合わないとの判断から完全にゼロです。

 そう考えると、時間対価はバイトより控えめでも、やりたいときだけやれて、ほぼノーリスクで一定金額を稼げるゲーム内金策は「ノーリスクローリターン」の労働と考えることもできます(G相場が平常時ならミドルリターンと言っても良いかもしれない)。

 とはいっても、バイトをしないことがイコールで金策をガッツリやるということに直結するわけでもありませんがね。私は最近は航路を1~4キャラやってログアウト程度のプレイにしています。

 

 まあ結局はそれぞれの個人が好きにやれば良いんじゃないかなって感じです。本当にバイトを始める意欲のある人はやれば良いし。

 

 

Q.アラドは物価差で儲けるのが一番稼げる理論について。
A.リスクを処理できるならそうかもしれませんね。

 おそらく、アイテムが安い時に買って、相場が上がってから売り払うことで利鞘を稼ぐことを仰っているのだと思います。実際に競売を駆使して儲けている人は昔からいました。

 私の場合も85キャップまでは、アップデートを見越してアイテムを長期保有して利益を上げるとか、装備合成を繰り返して高額な物が出たら売却するとかいうことをやっていた時期があります。そのおかげでソードマスター実装時にすぐ装備を整えることができたりとか色々ありました。

 また、期間限定販売の課金アイテムを長期保有すると販売終了後に価格が吊り上がるという相場観もあり、資金に余裕がある人はほぼ確実に利益を上げられるというメリットもありました。

 

 一方、現在ではそういったローリスク&ミドル~ハイリターンの金策はなかなか成立しづらい状況になっています。まずアップデートに際して「もともと存在したアイテムの価値が上がる」現象は限りなく発生しづらい状態になりました。基本的に新しいものほど価値が高い傾向にあるため、良くも悪くもその場その場の環境で資源を手に入れる必要があります。

 たとえば時間の引導石も110キャップにおいては「一応使えるけどめちゃくちゃレートが悪い」感じになります。なので、100キャップより明確に価値は落ちます。

 他のオンラインゲームでは、使い古されたダンジョンのアイテムを上位レベルのコンテンツでも要求し続ける(かといって緩和もされない)みたいなパターンがあったので、それを考えると良心的ではありますけどね。

 

 課金アイテムの寝かせ転売に関しても、90レベルキャップ辺りからかな? 多くのアイテムが期限つきになってしまったため、そもそも寝かせること自体が不可能になってしまったのも大きいです。

 また、課金販売時とそうでないときのゴールド相場の推移などもあり、称号などの期限なし品についても次の互換品の販売までに明確に利益が出せる状況が確約されなくなっています。

 そのため、一定の期間内に高く売りさばくことができるという見通しと、それに関するリスクを引き受けられる人でなければ、相場で儲けることはなかなか難しい時代にはなったと思います。

 あと余談ですが、近年は課金煽りが極端に激しい&ゴールドが高いため、そもそも転がすためのゴールドを確保するのは結構難しい。

 

 もちろん、数時間から数週間程度のもっと短期的なスパンの中での値動きで儲けるスタンスも存在すると思います。これに関しては、今のアラド経済の値動きは一部の人の感情に左右されただけで大きな値動きが起きている側面が極めて大きいと捉えられるので、かなり玄人向けだと思います。

 「どうしてそうなった」という極端な値動きに関しても、単純に同じ商品を大量に欲しい人が買いあさって商品が尽きてしまったとか、「今が買い」という風評により買いが殺到したとか、逆に「これを回すと美味い」という情報が出回ってみんな売りに走った結果供給が溢れたとか、そういう事態が多いのではないかと感じます。

 こうしたリスクを引き受けつつ儲けられる人は、そもそもアラド以外で収益を上げられそうな気はしますが、ともあれ少数派なのではないかと思います(または意図的な情報拡散による価格誘導もできなくはないのかもしれませんが)。

 また、商品寿命が短いということは、以前よりも価格差がマイルドになりがちということでもあります。短期で売り買いを頻繁に行うか、まとめ買い&まとめ売りを行うかしないと利益があまり出なくなったともいえるので、以前にもまして種銭が必要になったといえるでしょうか。

 

 結論としては、大多数の人の場合、それこそ金策か副業でもしてた方が儲けられるのではないかと思います。近年のアラド経済や課金アイテム販売の相場で利鞘を稼ぐのは、私もあまりやりたくありません。

 

 

Q.ドラゴンパッケージに次いで
    ゲーム内で史上類を見ないインフレを起こした
 今回の次元パッケージについて思う事と運営の思惑の推察。
A.ソシャゲ化も行きつくところまで言ったな~という感想と、
 ここ2年ほど販促が上手くなくなったイメージ。

課金体系のソシャゲ化に関して
 もはや今の基本無料ゲームは、ソシャゲの真似をした課金体系でなければ生き残れないのだなという諦念は、近年より一層強まりました。ガチャ品=強さって感じは濃厚になる一方ですね。

 パッケージの重複購入特典どころか、パッケ内にガチャ箱(スペシャル宝箱など)すら入れないようになってきたのが最近の方針ですもんね。

 

 ゲーム運営も商売なので、一定の利益を得られなければ継続できないという点は理解しているし、そもそも私はプレイヤーの中でも累計課金額が相当多い方だと思います。なので、利益を上げようというスタンス自体は全く否定しません。

 とはいっても、課金アイテムの比重が高くなり、エピックなどの装備が概ね横並びかつ一定ラインを求められるゲーム性になったこと(クロニクルやレジェはダメになり、エピックは誰でも揃えられるようになった)などから、プレイヤーの強さにゲーム性を越えた格差が出てしまっているのは否めません。

 95キャップ辺りからかな、ゲーム的な努力と運次第でだれでも上位ディーラーになれる可能性がある、ということはできなくなったと思います(努力とはすなわち金策か課金とイコールになった)。

 実際、レイドで赤パーティに入るのは大体決まった人(メインだろうがサブだろうが)、みたいな傾向が出ているのは否めないし、若干物足りない気はしてしまいます。

 

 過去のゲーム的な努力の例としては、アントンレイドで全身エピックを揃えることなどが挙げられます。アントン前半期ではクロニクルやバラエピが圧倒的多数でした(後からレジェンダリーも強化)。なのでエピックが揃っていれば、増幅や高額課金アイテムなどなくてもその時点で足火山担当が務まるというロマンがありました(魔法付与とかは当然必要だけど)。

 過去のゲーム的な運の例としては、+10武器を適当に突っ込んだら+15になった、みたいな武器強化ロマンなどですかね。これに関しても現在は+12までの成功が確定になるかわりに費用が上がったことなどから、強化イベントでもなければ挑戦する価値もない状態と言えます。また、アントン期はエピックの揃い方も運要素だったといえます。 

 

 こうした現象に関しては、「ゲームバランスが良くなった」と解釈することもできるので、一概にダメということはできません。しかし、強くなるにはただカネが必要だ、という単一的なゲーム性に関しては、好みが分かれるところだと思います。

 

運営の販促体制に関して
 これはかなり主観的な話だと前置きしておきます。おおよそ2年近く前からだと思いますが、運営の販促担当の体制が明確に変わったんじゃないかという感覚があります。端的に言うと、商売があまり上手くなくなった感。

 課金アイテムAの後にBを売る、みたいな販売の順序もそうだし、ガチャ品の入れ方もそうだし、「ヨシ課金しよう!」って思わせるマーケティングがイマイチ出来ていないというか…。

 アメボの中身も、パッケージ品と重複して価値がないものだったりするので、全体的に商品の整合性が取れていない感は否めません。

 ガチャで搾り取る方針自体は商売としてある種の合理性を持っていますが、プレイヤーが魅力に感じられる売り方をしなければ、結果として売り上げは上がりません。

 一部の層から重点的に収益を上げるタイプのガチャに推移しすぎていること自体は結果的に商売として是なのか非なのか運営にしかわかりませんが、やり方に応じた利益が上がっているのか疑問ではあります。

 

 結論としては、ガチャが良い悪いとか以前に、単純にゲームに関する知見がマーケティングに反映されていない(あるいは担当されている方がゲームに詳しくない)、そして販売スケジュールと内容に整合性が取れていないという点が商売として上手くない、とは思います。あとは持続可能性のある売り方を続けてくださいね、というところでしょうか。


 以上、今回はアラド戦記の「お金」に関する質問に回答しました。2記事で済ますつもりでしたが、3つ目が必要そうです。

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