アラド戦記:2021アラドフェスティバルについて

投稿日 2021年12月20日 最終更新日 2021年12月20日

 韓国ダンジョン&ファイター(DnF)のフェスティバルが昨日開催され、今後のロードマップが示されました。その内容を抜粋していきながら、各項目について触れていきます。


レベルキャップ開放
●110レベルまで拡張。
●ミカエラやカシヤス、ソルドロスなどが登場するストーリー。
●シナリオダンジョンに難易度出現、高難易度で経験値等増加。
●70キャップ時代の「ヒーローズ」難易度が復活。

 ここら辺は見たまんまですね。ヒーローズ難易度は知らないプレイヤーも今では多いかと思いますが、既存の難易度に加えて敵のステータスが強力であるほかに、ボスが新たな攻撃パターンやギミックを行ってくるのが特徴の最高難易度となっています。

 PT強制コンテンツが多い現状からソロでも遊びやすい環境を強化したり、ヒーローズロードなどのチャレンジ精神を掻き立てるコンテンツを実装したりと、プレイヤー目線での開発を進めようという意欲を見せています。

 

日課週課の自由度向上
●従来のコンテンツは疲労度を消費して入場券を獲得。
●新規ダンジョンは入場回数自体を削除。
●ミッションと業績を実装し、プレイの動機を与える。
●ノブレスコード(スクワッドの強化版)を実装。

 1日または1週間の間に入場できる回数が制限されている既存の上級ダンジョンについて、「プレイポイント」システムを導入。疲労度を消費することで入場券を入手することができるシステムへと変更されます。日課週課に日々追われるのではなく、時間があるときを選んで消化しやすくなるということでしょう。

 業績に関しては、PCプラットフォームや家庭用ゲームなどで導入されている「トロフィー」を意識しての実装となるようです。

 また、新たなコンテンツとして、スクワッド同様の攻略を行った上で、参加キャラクター全員が報酬をもらえる「ノブレスコード」を実装するのだとか。正直「こんなのあったら良いな」レベルのコンテンツがそのまま来るとは思っていなかったから期待したい。

 

生活系コンテンツ「ダンジョン&ライフ」

●施設建設、農業、釣りなどを通してアイテムを入手。
●ダンジョンで拾った材料を使って施設を建設。
●村を飾る見た目アイテムも100個以上導入。

 拠点建築、農業、釣りというRPGでよくある生活系コンテンツを1まとめにしたシステム。報酬次第ではやりこむ価値が出てくるし、ツイッターなどのインターネットコンテンツが普及した現在では自分だけの村を見せ合う楽しみなどが得られるかもしれません。

 

エピックファーミング関連
●110レベルキャップでは地獄パーティや知恵の導きを実装しない。
●エピックは新規上位ダンジョンクリア時に高確率で入手。
●時間の引導石は新規上位ダンジョンの入場料に変換可能。

 ヘルと新規上位ダンジョンの位置づけの差が曖昧ですが、約10%しか出ないエピックのためにひたすら疲労度を消化し続ける日々という概念へのアンチテーゼでしょうか。脳死で作業する時間が短縮されるのかもしれませんね。

 

新規エピック装備(105レベル)
●105エピックはセット効果なし。
●固定オプションとカスタムオプションが存在。
●難易度の高いダンジョンで拾う装備ほど数値が高くなる。

 新規エピックのレベルは105。100レベル装備をすぐに無価値にしないためらしい。セットをそろえるまで弱いままという状態から脱却し、1つずつ拾いながら強くなれるシステムにするそうです。固定オプションは数値変動のみ、カスタムオプションは好みに合わせて選択できるのだとか

 エピック装備の倍率が均等になって部位、種類ごとの個性的な効果によって差別化を行うようになるのだとしたら、オズマエピックの発展形のような形になって面白いかもしれないですね。「このレベルのスキルのクールを下げよう」とか、「このペナルティを受けつつ追加倍率をもらおう」とか、「攻撃速度特化しよう」とか、そういった好みのスタンスを、必要十分な強さを担保された上で選択できるのだとしたら、非常に面白い選択肢の提供となり得ると思います

 

装備オプション成長と転送
●同じオプションを持つ装備同士を合成して成長可能。
●100レベルコンテンツ卒業装備も成長材料として活用可能。
●カスタムオプションは別装備に転送可能。

 いらないエピックを解体するだけでなく、合成で他装備の成長に使えるようにするとのことです。数値が低い装備も時間と手間をかければ高性能に仕立てあげられます。ソシャゲの装備強化みたいでちょっと危うさを感じますが、ハズレエピックにも価値がでるようにしたいのでしょう。逆に言えば当たりを引いた幸運な人が即卒業できるわけではない、という特徴も加わるか。

 また、オズマ融合装備や、煉獄黄色オプション付きのシロコ装備、残り香を融合した武器も成長素材として使えるので、100レベルキャップコンテンツを卒業する意味も残されます。

 カスタムオプション転送機能では、別装備から目的のオプション1つを選択して上書きすることができます。

 

105レベルエピック武器
●ダメージ重視とスキルカスタマイズの2種ずつ。
●過去のクロニクルセットのような効果が付与される。
●自職武器を出やすく設定する。

 新規エピック武器は各武器種ごとに2種類。1つは既存のようなダメージ倍率を重視したもの。もう1つは各職業ごとのスキルを大きく変化させるタイプの武器となっています。例として過去のクロニクルセットが取り上げられているので、該当スキルはまさに別のスキルのような著しい挙動の変化を期待できます

 自職武器の入手困難な点においても改善してくれるそうなので、他職武器ばかり見て何の進展もないヘル通いという苦行からは卒業できるかもしれません。

 

105レベルその他装備
●元々の等級より1ランク高い能力を与える。
●バフ面装備の上位互換を実装。
●レジェ装備はカスタムエピックと同等の位置づけ。
●セイクリ、産物も継続使用できる性能へ改変。

 105レベルレア、ユニーク、レジェンダリー装備に対してそれぞれ、ユニーク、レジェンダリー、エピックという風に1ランク上の能力を持たせることで、序盤のファーミングを楽にしてくれます。レアで2~3日、ユニークも比較的短期間で集められ、進展を感じやすいコンテンツ導線としていくようです。

 2種類あるユニークのうち片方は、オペレーションホープで集められた深淵装備の上位互換となるそうです。バフ面が総入れ替えとなります。

 レジェンダリーはカスタムエピックと同等の性能を持つ取引可能装備となるそうです。レアドロップで一攫千金のロマンを再び味わえる環境にしたいようで、MOプレイヤーが望んでいる要素をよく理解してくれているディレクターだと思います

 セイクリッドや改造数値の高い産物装備には、105レベル装備と同等の性能を持たせるように調整するそうです。この辺りはお金や時間をかけたプレイヤーが多いため、すぐに無駄にはさせたくないということでしょうね。

 

複雑すぎたオプションの統合
●ダメージオプションを1種類に統合。
●バッファーオプションも「バフ力」の1種に統合。

 ダメージ増加、クリダメ増加、すべ攻増加…。あまりに膨大となっていたダメージオプションを「ダメージ増加」に1本化するそうです。キャラクターの装備スペックが一目でわかる仕様になるということですね。どの装備が高倍率であるかということも一般プレイヤーにとってわかりやすくなります

 

 また、バッファーのオプションも既存のものは火力オプションに輪をかけてわかりづらい状態でしたが、それも一本化された上で、30レベルバフと50レベル覚醒スキルが均等に上がるようになるそうです。

 これにより、バフ面と覚醒面の2種に分けたバフ用装備構成が基本的には死ぬことになります。ただし、例えばスキル宝珠を付けた装備とステータス宝珠を付けた装備の使い分けなどは健在になるのかなど、まだまだ不明な点がたくさんあります

 

戦闘バランス調整
●スキルクールタイム減少制限
●戦闘中の装備スイッチング不可
●精神刺激、闘神ポーション等の削除可能性
●下位レベルスキル強化
●防御力の仕様改善
●アクション性の向上
●真覚醒の演出時間短縮

●スキルクールタイム減少制限
 スキルクールタイムを装備等で減少させる場合、最大70%減までの適用となります。既に韓国ではエージェントの闇月でほぼ常時無敵状態のまま攻撃を行える状態を修正するなど、特定スキルのみに特化したプレイングを極度に忌避しているのでその延長線上といえます

 ちなみに、クロニクルセットも従来そういったプレイングを助長しがちなものだったのですが、このアップデート内容を見る限りでは、そうした極度の一点特化となる状態が再現されることはなさそうです

 

●戦闘中の装備スイッチング不可
 戦闘中の装備スイッチング(付け替え)が不可能になるそうです。例えば表面暗殺者、裏面ロキシーで覚醒時だけスイッチしたり、裏面にクール減装備を集めて阿修羅などの1次覚醒を常時化したり、特定スキルの発動時クールタイム&スキル威力参照という特化スイッチを行ったりするプレイングを完全に封じるようですね。装備の二重ファーミング自体を無意味な物にして戦力の画一化を図る流れです。なお、敵モンスターがいない状態では変更可能です(間違った装備で入場した場合などの救済)。

 

●精神刺激、闘神ポーション等の削除可能性 
 なかなか怖いアップデートだとは思います。刺激ポーションが使えなくなると多くの職で戦闘バランスが大きく変動します。たとえばエルブンナイトは刺激がなければ暗殺者セットを付けていてすらスキルの回転率があまり良くない状態になると思われます。

 そういうところを装備等で補いやすい環境に仕立てあげるのか、職バランシングで調整するのか、持続火力のない職はそういうものと割り切らせるのか、バランス感覚が問われるアップデートだと思います削除自体が確定ではないらしい?ので、ただただ様子を見るばかりです。

 

●下位レベルスキル強化
 現状多くの職業で取得する価値が薄くなっている低レベルスキルについて取得レベル上限を上げたり、TP消費量を1にしたりすることで主力として活用できるように調整予定だそうです。

 

●防御力の仕様改善
 敵モンスターの異常な防御力の高さや、逆に敵側の攻撃に防御無視が多すぎてプレイヤー側の防御力が全く意味をなしていない状態について改善が行われるそうです。

 ぶっぱで即倒すor被弾やギミック失敗で即死するという2択の味気ない状態から、互いにヒットアンドアウェイでHPを削っていくアクションゲームらしいプレイングを楽しめるように全体的な調整を行っていくらしい。非常に肯定的に捉えられる考え方です。

 

●アクション性の向上
 既存のモンスターのほとんどに適用されていたホールド&状態異常無効状態に対して、免疫状態を破壊できるゲージを導入するそうです。ただし状態異常や拘束で敵の攻撃行動そのものを飛ばすことは不可能で、行動停止解除後に元の行動を再開する仕様になるとのこと。

 この点においても、火力至上主義、ギミック至上主義を打破する明確な意図が見受けられます。モンスターの無敵パターンやプレイヤーの無敵スキルも削除していき、ひたすらアクションゲームとしての楽しみを追求していくようです。

 

●真覚醒の演出時間短縮
 5~7秒と冗長だった100レベル真覚醒スキルの演出を短縮し、3秒程度に抑えるそうです。攻撃時間の長さからいくつかの問題を抱えていたのが真覚醒スキルでしたし、アクションゲームとしてもありがたい改変だと思います。

 

キャラクター関連
●ガンナー(男)新規転職「アサルト」
●シナジー職業枠を撤廃
●キャラクターリニューアル

●ガンナー(男)新規転職「アサルト」


 男ガンナーの5職目が実装されます。ジゼルの改造手術を受けたキャラクターだそうです。すぐれた火力と機動力を両立したキャラクターとなるらしい。

 

●シナジー職業枠を撤廃
 既存のD(ディーラー)枠とS(シナジー)枠の違いをなくし、その代わりにシナジー職のダメージを一律8.5%上昇させるそうです。

 その他、エテルナ装備の機能向上や敵モンスターのHP減少などでゲームバランスを保つとのこと。

 

●キャラクターリニューアル
 男ネンマスターと男スピッドファイアのリニューアルを実施。男念は螺旋ゲージを消費するスキルの攻撃力を調整し、新たにゲージ運用に関係するスキルを2種類追加するとのこと。

 男スピッドファイアは、現在では時代遅れとなっていた弾の活用という職コンセプトを再び復活させる方向性とのこと。基本攻撃特性を強化し、さらに昔の主力スキルであったニールスナイピングを現在のバランスに合わせて再リリースするそうです。

 

システム改変
●強化増幅システム変更
●属性強化スキルの仕様変更
●クリーチャー仕様変更
●ルーン&タリスマン交換可能化
●アカウント帰属素材の見直し
●ストーリー改編
●真覚醒イラストリニューアル
●マルチスレッド対応とロード速度向上

●強化増幅システム変更
 100レベル以上の装備は+12強化、+10増幅まで失敗しても数値が落ちないようにし、その代わりに1回の強化コストを増大、成功確率の減少を行うそうです。要は12強化と10増幅のチャレンジを継続的に行わせることで、該当数値を一般的な指標にしたいのでしょうね。なお、失敗ごとに確率が上昇するシステムは健在とのこと。

 また、強化数値に天井を設ける? 既存の強化、増幅済みのアドバンテージがなくなり、スタートラインをほぼ同じにする意図があるのではないか、と推測できるところはあります。

 ただしこの強化システム、一歩間違えるとソシャゲ的な無味乾燥かつ時間と金銭を要するだけの要素に堕ちてしまうため、慎重に調整してもらいたいものです。また、キャラクター強化のやりこみ要素を他に用意するのか、既存強化の中でやりくりしていくのかも気になります(天井達成は一般的なものになるのか?)。天井の意味を取り違えている可能性も0ではないのでとりあえず様子見。

 

●属性強化スキルの仕様変更
 一部職業が持っていた属性強化を上昇させるスキルを「属性攻撃力増加」に変更し、キャラクターの属性強化、敵モンスターの属性抵抗の数値によってスキルの効率が変動していた状態を改善するそうです。

 

●クリーチャー仕様変更
 ただの装備アイテムの一種に等しくなっていたクリーチャーを大幅改変。アクティブスキルを他のスキルに置き換えたり、アーティファクトに既存と異なる効果を加えたりすることで、冒険の仲間として活躍できるようにするらしい。日本独自クリーチャーの扱いなどは難しそう。

 

●ルーン&タリスマン交換可能化
 レベルキャップ開放に伴い、ルーンとタリスマンを交換可能にする。110レベルになっても95~100レベルダンジョンを周回しなければならない苦行を回避するため。

 

●アカウント帰属素材の見直し
 ファーミングダンジョンやレイドダンジョンでの入手素材の半分をアカウント帰属にしたアップデートを見直す可能性があるそうです。キャラ数の多寡をファーミングにおける格差にしたくないみたい

 

●ストーリー改編
 展開が早すぎて内容が分かりづらかったストーリーを補強。追加ストーリーを盛り込むなど、登場キャラクターの存在を深堀していくとのこと。

 例えばイシスレイドにおけるアルケトなどのネームドがどのような過程で堕落していったかの描写や、天界内戦のストーリーで皇女エルゼの人物像についての描写を加えたりするらしい。

 

●真覚醒イラストリニューアル
デュエリスト、阿修羅、剣鬼、巫女、くのいちなどのイラストを変更予定。

 

●マルチスレッド対応とロード速度向上
全体的に快適なプレイ環境が約束されることになります。

 

新規コンテンツ
●マイスターの実験室
●奪われた土地:イスピンズ
●暴龍王バカルレイド

●マイスターの実験室

 7人のマイスターが、天界を支配する暴龍王バカルに立ち向かうためにゲイボルグを作った場所。アラドの歴史に詳しい人にとっては劇的な場面となりそう。これまで知っていた歴史を覆す場面に遭遇するとか何とか。

 

●奪われた土地:イスピンズ
 上級ダンジョンとレイドの中間レベルの新コンテンツ「レギオン」として初めて実装されるダンジョン。PTを組んで龍人と戦い、その際に選択した「作戦」によって戦況が変わり、多彩な攻略が可能となるらしい。難易度の高い作戦では報酬も良くなり、失敗しても気軽に再チャレンジできる設定になる予定

 

●暴龍王バカルレイド

 2022年実装予定のレイドボスはバカル。神話の中のお話であった、死龍スピラッジや冷竜スカサ、狂龍ヒスマといったドラゴンとの戦いを再現するようです。システムとストーリーを調和させた一大コンテンツとなるとのこと。


 全体的に、新ディレクターのゲーム開発に対する確固たる姿勢が感じられたという意味では意義のある発表だったと思います。一部不安な要素もありますが、全体的にはより面白いゲームになる可能性を大いに秘めた内容であると感じられました。日本に来るのは半年以上先になるでしょうけど、気長に待ちましょう。